子供が欲しいご夫婦が、通常の夫婦生活を行っても2年間以上妊娠しない場合、不妊症と考えられます。不妊症の原因は、男性40%、女性40%、不明20%とされ、男性側の精査・治療が必要となる場合も少なくありません。
当院は、男性不妊症に対する専門的診療を行う数少ない泌尿器科クリニックであり、男性不妊症の患者数は、大学病院・総合病院を含めても、中国四国地方では最多です(新患数 約250名:2008年度)。不妊クリニック(産婦人科)と密に連携を取りながら、少しでも精子を増やし、妊娠の可能性を高めることを目指した治療を行っています。
子供がなかなかできないということでお悩みの方は是非ご相談下さい。
男性不妊症の検査の基本は詳細な問診と精液検査です。この他、超音波カラードプラ検査とホルモン検査(血液検査)も行います。
また、症状によっては、染色体検査(血液検査)なども行います。
いぐち腎泌尿器クリニックでは、痛みを伴う検査は通常行っていません。
| 精液量 | 2.0ml以上 |
|---|---|
| 精子濃度 | 2000万/ml以上 |
| 総精子数 | 4000万以上 |
| 精子運動率 | 50%以上 |
| 精子正常形態率 | 15%以上 |
WHOの診断基準(1993)による
精液検査は変動が大きい検査であり、繰り返し検査を行うことが必要です。
当院には精液自動測定器がありますので、ご持参いただいた精液をすぐに測定することが可能です。 なお、以前に他の医療機関で精液検査を行った結果をお持ちの場合は是非ご持参下さい。
精液検査の正常値(自然に妊娠が可能な精液の下限)は右図のようになります。
ホルモン検査では、精子をつくるために必要なホルモンのバランスが崩れていないかを調べ、その値に応じて、ホルモンの補充などを検討します。
超音波カラードプラ検査では精巣(こう丸)・精巣上体(副こう丸)を中心に、精液の通り道(精路)を詳しく観察し、精索静脈瘤や他疾患(腫瘍など)の有無を判定します。
極端に精子の数が少ない場合や精子がいない場合は、染色体検査(血液検査)をおすすめしています。
男性不妊症の要因には、精子の数が少ない・動きが悪い(精索静脈瘤が認められた場合/原因不明の場合)、精子がいない(無精子症)、などがあります。それぞれの症状により治療内容は異なります。
精索静脈瘤が認められた場合と原因不明の場合があります。
精索静脈瘤が認められた場合、手術による改善の可能性について検討します。
当院では、ホルモン剤による治療を積極的に行っています。現在のところ30~35%の有効率(当院では運動精子が2倍以上に増えた場合を有効としています。)です。
漢方薬・ビタミン剤などは有効率・改善率(有効な場合にどれくらい精子がふえるか)が低いため、単独の治療としてはおすすめしていません。
ホルモン剤の一部は自費診療となる場合があります。
精索静脈瘤は、原因不明に精索静脈(精巣から心臓へ向かって流れる血管)がこぶ状にふくれ上がったものです。健常男性にも認められることがありますが、男性不妊症の方には特に多く認められます。
からだの構造から、ほとんどが左側に生じ、大きいものであれば、左の精巣(睾丸)の上方に血管の固まりを触れるようになります。精液所見が悪くなる(精子の数が少ない、動きが悪くなる)場合や、左精巣が萎縮(縮んでしまう)する場合があり、男性不妊症の原因のひとつと考えられています。また、左の陰嚢の痛みや不快感、太ももの内側の違和感なども生じることがあります。
精索静脈瘤そのものに対しては、手術が治療の第一選択になります。ただし、不妊症への影響が小さいと考えられる場合には、精索静脈瘤の治療よりも、不妊症の他の治療を優先することもあります。
| 精巣内精子回収術(TESE) | 110,000円 |
|---|---|
| 顕微鏡下精巣内精子回収術(MD-TESE) | 250,000円 |
| 顕微鏡下精巣上体精子回収術(MESA) | 150,000円 |
精子がいなければ、いかなる不妊治療も行うことができません。
しかし、精液中に精子がいない場合でも、精巣(こう丸)内には精子が存在する場合があります。精巣から精子が回収できれば、顕微授精を行うことにより妊娠することが可能になります。
当院では、精巣からの精子回収を年間40例以上行っています。
特に、通常の方法では精子の回収が難しいと思われる例(精巣が極端に小さい場合、染色体異常、抗がん剤使用後など)・他院での不成功例では、手術用顕微鏡を用いた回収方法も行っています。
いずれも局所麻酔(精索神経ブロック)・日帰り手術として行っています。
開院以来の精子回収率は70%程度です。
なお、精子回収は全額自費診療(右図)になります。